2018.03.08 / industory

宇宙がビジネスの場となる時代②

学校~家を往復する毎日だと入ってくる情報が限られることも多い。産業トレンドに精通したプロの記事を読むことで知らなかった世界がみえてくるかも。「社会に興味を持つきっかけに」と、今回おススメする記事がこちら。

 

 

日本が狙う宇宙ビジネス~有人ロケット以外の視点

米国の「月への有人探査計画」が再開することで、各国の次の目標は「月面に基地を建設し、月面での継続的な活動を可能とする段階」へと移った。

「基地を建設」といっても、月面での建築はかなりやっかいだ。隕石の飛来が頻繁にあり、日向と日陰の温度差は激しく、常に宇宙線が降り注ぎ、重力は地球の6分の1しかない。そもそも建材の確保が難しい。水もない。建設機械は地球から送り込む必要があり、その機械も地球上から遠隔操作することになる。

そんな課題に、清水建設・竹中工務店・東急建設・大林組など日本のゼネコンが挑んでいる。

たとえば清水建設。サイトには「シミズドリーム・月面基地」というページもあり、永年にわたって蓄積した建設に関する総合技術力を元に、月という新たなフロンティアで活かすべく、構造、材料、施工技術、施設配置計画、居住環境など多様な観点からの研究を積極的に進めているのだ。

月面での建設はやっかいだ、という話に戻る。月面の環境で、遠隔操作で建物を組み立てるとすると、地球上のように釘やボルトなどを使うことが非常に困難になる。

しかし、日本には古来よりまったく釘を使わない建築技術が残っている。木材の凹凸をつなぎあわせて接合する技術で、神社や寺院など清水寺の舞台などに使われている伝統的木造技術。これが月面建設では大活躍する日も近いかもしれない。伝統的木造技術をはじめ、日本は宇宙エレベーター建設に必要な技術も備えいてる。これはまたの機会に。

前回の記事=宇宙がビジネスの場となる時代①

この記事を書いた人

濵口 桂
Co-en代表。大学や企業などで『産業トレンド・業界動向・企業研究』をテーマに、非常勤講師として授業・講座などを行う。ファシリテーションやコーチング、キャリアカウンセラーのスキルを応用した、絵本やブロック、各種カードを使ったワークプログラムも実施。『日本昔話村シリーズ』と銘打ったオリジナルのワークツールの開発も行っている。 FBページインスタ(絵本の紹介)