2018.04.15 / industory

現金が使えない時代へ

学校~家を往復する毎日だと入ってくる情報が限られることも多い。産業トレンドに精通したプロの記事を読むことで知らなかった世界がみえてくるかも。「社会に興味を持つきっかけに」と、今回おススメする記事がこちら。

 

キャッシュレス後進国日本は世界から取り残される

中国に行った日本人がとても困ることがあるという。それは「支払いに現金が使えない」という驚き。

中国ではここ数年のキャッシュレス化が急激に進み、北京などの都心部では、現金以外での支払い比率(キャッシュレス決済比率)が90%を超えているともいわれる。レジのない屋台のような店でも、店頭に貼ってある〝QRコード〟を客がスマホで読み取って支払いが完了。これであれば、クレジットカードなどの読み取り機を設置する必要がなく、現金のやり取りなしであっという間に支払いが終了する。

では、日本はどうだろうか?

先進国で唯一の現金主義国と言われ、キャッシュレス決済比率はたったの20%。日本人は昔から現金を持つ安心感が文化(タンス預金など)としてあり、銀行以外でもコンビニ、駅構内、ショッピングセンターなどあちこちにATMが設置してあり簡単に現金を下ろすことができてしまう。

しかし、外国人観光客はそうはいかない。

いまや訪日外国客数は年間3000万人に達しようとしている。せっかく来日した観光客が現金決済しかできないのであれば、消費意欲もそがれてしまう。

〝QRコード〟の発明国である日本が決済の後進国になっている。皮肉なことである。

この記事を書いた人

濵口 桂
Co-en代表。大学や企業などで『産業トレンド・業界動向・企業研究』をテーマに、非常勤講師として授業・講座などを行う。ファシリテーションやコーチング、キャリアカウンセラーのスキルを応用した、絵本やブロック、各種カードを使ったワークプログラムも実施。『日本昔話村シリーズ』と銘打ったオリジナルのワークツールの開発も行っている。 FBページインスタ(絵本の紹介)