2018.07.23 / industory

未来の食には…肉がない②

学校~家を往復する毎日だと入ってくる情報が限られることも多い。産業トレンドに精通したプロの記事を読むことで知らなかった世界がみえてくるかも。「社会に興味を持つきっかけに」と、今回おススメする記事がこちら。

 

昆虫は未来を救う

みんなは将来、どんな分野で働きたいと考えているんだろうか? 食料問題・食品研究・健康問題などに興味がある人へ。

国際連合食糧農業機関が、人類を食糧危機から救うために、ある画期的な解決策を記したレポートを発表した。フランスでは農家がこれの養殖が活発化し、イギリスやオランダ、ドイツなどでも、これを使ったバーガーやパン、スナックが商品化されている。またEUではこれらの動きを受けて正式に食認可を行ったという。

このレポートのタイトルは「食用昆虫─食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望」という、つまり国連の食糧機関が世界に向けて〝昆虫を食べよう!〟と訴えたのだ。昆虫は良質のタンパク質や、コレステロールを減らす不飽和脂肪酸、ミネラル、食物繊維的な働きをもつキチンも多く含んでおり高栄養で健康的な食糧といわれる。

世界では以前からアジア・アフリカを中心に20億人が1900種以上の昆虫を食べている。日本でも昔から長野県を中心に食虫文化も根付いており、イナゴや蜂の子、蚕さなぎ、セミなどが伝統食として食べられてきた。1919年の調査では、国内で55種の昆虫が食べられていたというデータもあるそうだ。

昆虫食の専門家によると、カミキリムシの幼虫はマグロのトロの味がし、オオススメバチの蛹はフグの白子に負けないという。昆虫養殖は人類のタンパク源として、家畜に代わる人間の食糧システムとして定着していくことになるだろう。

みんながいま口にする食べ物には「食用昆虫」はまだまだ少ないと思うけれど、未来に向けて世界でこういう動きがあるということ知っておくと、日常生活に、自身の未来を考える際に、新たな視点が生まれるかもしれない。

未来の食には…肉がない①

この記事を書いた人

濵口 桂
Co-en代表。大学や企業などで『産業トレンド・業界動向・企業研究』をテーマに、非常勤講師として授業・講座などを行う。ファシリテーションやコーチング、キャリアカウンセラーのスキルを応用した、絵本やブロック、各種カードを使ったワークプログラムも実施。『日本昔話村シリーズ』と銘打ったオリジナルのワークツールの開発も行っている。 FBページインスタ(絵本の紹介)